医療過疎化が他人事ではなくなってきた

私が住んでいる兵庫県芦屋市は、大阪と神戸の間にある住宅地である。
電車に乗れば神戸の三宮まで10分、大阪梅田まで20分という便利な場所だ。
この芦屋でも、最近は医療過疎?と思われる現象が起きているように感じる。
過疎と言ったら、本当の過疎地の方には叱られるだろうが、高齢者が徒歩で行ける範囲にホームドクターといえる内科開業医を見つけるのが難しい。


■高齢で閉院する医院

地元で馴染みだった医院が次々と廃業していく。
残っている医院も、お医者さんはもうかなり高齢な方が多い。
母が長年見てもらっていたお医者さんが廃業され、ご紹介いただいたお医者さんも勤務医になってしまわれ、また次のお医者さんを探さないといけなくなった。

するとこれが案外ないのです。

内科医にしてこれなのですが、もともと少ない皮膚科や眼科などももし必要ならどうしよう?と思うほど見当たらない。もちろん誰でもいいというならあるにはあるが、選べるほどはない。

■おいしくない低人口密度の街

芦屋はぎっしりと家やマンションが建っているけれど、周囲の街に比べると人口密度は低い。
マンションの高さ規制などがあって、戸建の家も多いのでどうしてもそうなってしまう。

医療は保険診療が中心なので、お金持ちからたくさんお金を取れるものではないから、人口が多い場所で開業する方が効率が良い。
知り合いの医師も、住まいは芦屋なのに開業する時は別の街で開業なさった。その場所は大規模な団地の真ん中で、高層のマンションも林立していた。話を聞くとやはり開業する際にリサーチをした結果そこになったという。

開業医もビジネスだし、実際に経営は大変らしい。
壊れ行く医師達③ 開業医だって楽じゃない
というブログに詳しい現状が紹介されている。

■社会基盤としての保障が必要な医療

この地にしてコレだから、もっと人口密度が低ければ事態はもっともっと深刻だろう。
開業医ではなくて、市民病院の運営がままならなくなった・・・医療現場の崩壊問題が何年も前からマスコミで取り上げられている。
勤務医は過酷な労働条件に低い収入(低いといっても一般労働者と比べたら多い)、開業医は経営面での負担が大きく従業員の給料は上がっているのに医師の実入りは減っているという。

医師は医師となるまでにお金も時間もかけているわけだし、元が取れないようではなり手がなくなってしまう。
しかし、ホームドクターくらいは確保できるようにしないと。それくらいは最低限の社会基盤として整備されるべきだろう。

本当に課題が山積みの日本。医療のカベという問題もある。認められている治療方法や薬しか対応できないという今の医療制度にも問題ありだ。もしそこからはずれたことをして何かあったら、責められるのは医師だから、踏み外さないようにするし、融通も利かない。そのことが、患者にとって不満になったりする。民間薬や健康食品に頼る人も多い。

高度医療、難しい病気の新しい治療方法なども大切だけど、ごく日常のちょっとした病気への対応にももっと目を向けて、医療制度を組みなおす時が来ているのではないか?



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