サムスンの戦略 [PRODUCTS]

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ビジネスウイークに掲載された古いサムスンに関する記事を読みました。
2003年のものです。
おそらく、最近売られているサムスンに関する書籍などに載っている内容とは思いますが、少し気になったので、これに触れてみたいと思います。
「The Samusung Way」と題したこの記事では、おおよそ次のような事が書かれていました。

●サムスンは元々安ものの家電製品をアメリカ市場で供給していた。
 あくまで、粗悪だが安いだけが取り得だった。
●しかし、ある時からサムスンは自らの道を変更した。きっかけはデジタル化だ。
 サムスンは脱安ものイメージを図るために、広告にお金をかけ、製品のデザインや技術レベルの向上を試みた。そして、その戦略はあたり、アメリカ国内でもサムスンのブランドイメージは目に見えて上がった。

●サムスンは元来、財務体質も劣悪な企業だったが、それも改善した。

●サムスンの戦略は、いろいろあるが、その中の一つがスピードである。
 ある商品の開発構想のスタートから実際に製品が世に出るまでのリードタイムをどこよりも早くしたのだ。
 そのために、サムスンは、多くの技術者やデザイナーを一カ所に集めて一気に開発を行う。
●もう一つの戦略は、自社内と外部を競合させてコストダウンを図ることだ。製品を組み上げるために必要なパーツの調達を、自社と外部の二つに分ける。そして、自社のコストと外部のコストを競わせ、厳しい価格を要求する。それによってコストダウンを図る。
●また、他の戦略としては、自社内でデバイスからつくるということだ。自社内で作ることによって多様にカスタマイズすることができる。

・・・と、2003年の時点で、このような内容のことが述べられていました。

このレポートでもう一つ注目すべき点は・・・

●サムスンの弱点があるとすれば、ハードづくりだけを垂直統合していることだ。ハードづくりには多額の先行投資が必要で、しかも、ハードはまたたくまに陳腐化する。そして、売値は下がり、すなわち利益も縮小する。
 それに耐え続けないと良好な経営状態を維持できない。
 かつてハードに特化して成功した企業はない。
 では、何が強みになるかと言えば、それはソフトウエアとハードウエアの統合である。ソニーやアップルはソフトとハードがセットになっている。


この記事から7年を経て、サムスンは今も成功モデルとして君臨している。
2003年のこの記事以降で、ビジネスウイークがサムスンの戦略について十分な紙幅をさいて語っているものを探しているが、今のところ適当なものは見当たらない。ほとんどの記事が総合的でなく、ごく一部の現象について触れている。

一方、ツイッターなどでサムスンの評判を日本語検索すると、評判はすこぶる悪い。実際に買って使った人が、もう二度と買わないなどと述べているものが目立つ。
先日パナソニックの技術者の方が話していたところによると、品質や画質と言ったものに対する要求が日本人は厳しい。しかし、アメリカではそれほど厳しくないという。増してや、途上国ならそんなに厳しくないだろう。

日本の企業が日本人の厳しい要求にこたえる製品を作るのにあくせくしている間に、そこまでは要求しないもっと大きな市場でサムスンはのしてきたのかもしれない。
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