食肉コンサルタント T氏にお話を聞きました [FOODS]
以前は1月も末になるとハッサクが店頭に並んだものなのに、昨日スーパーへ行くと、柑橘類は温州みかん、伊予柑、デコポンの三種類が主な販売品種でした。
ちなみに我が家には親戚からもらった、はるみ、こなつなどがあります。
柑橘類の話はさておき、今回は食肉コンサルタントをしておられるT氏に少しお話をお聞きしたので、忘れないうちに記録しておくためにも、そのお話を書きたいと思います。
■ 肉の売られ方に関しても私は不満があります
「さあ、今日はがんばって料理しよう!」と思ってスーパーへ買い出しに行くと、料理する気持ちが失せることが最近は増えてきました。店も効率を重視せざるを得ないので、どうしても売れ筋を重視することになり、あまり売れないアイテムは定番から除外されて行きます。特に生鮮食品は売れ残ると困るので、その傾向が強いのは仕方のないことかも知れません。
家でまともに料理をする人の割合はきっと減っているでしょうね。だから、惣菜売り場などは面積が増えている。魚売り場は調理せずに食べられる刺身の売場がやたらと広く、切り身や貝類などはおあいそ程度にしか売られていない(と言ったらしかられるかも知れない)。
肉売り場は、すき焼き用、しゃぶしゃぶ用、焼き肉用、ステーキ用、カレー用といったカッティングがされた商品が並んでいます。それはそれで便利な時もあるけど、もう少し大きいかたまりで料理したい時や、骨付きで調理したい時などはそういうオーダーに応じてくれる店に行かないとだめということになります。
■ 食肉コンサルタントってどんなお仕事ですか?
T氏は食肉コンサルタント。いつもあちこちを飛び回っておられます。お聞きすると主なお仕事は、
・スーパーマーケットの新入社員教育
・食肉専門誌等への出筆
・各種の食肉専門普及物(冊子的なもの)の監修
などというお話でした。
中堅どころから小さいスーパーマーケットでは、食肉のカッティングやトレイに並べてパッケージングするノウハウが社内・店内で伝承されないため、コンサルさんが指導にあたらねばならないとのことでした。スーパー業界で出世する人たちは現場でさらっと研修した後は、食肉・生鮮・エトセトラの本当の現場にタッチすることは無くなってしまうのだそうで、ホントのホントの現場を担っている人たちは入れ替わりが激しく、そこで技術や知識がつながりを持って伝承されていく状況ではないというのです。
もちろん、売れる商品づくりや、効率的なオペレーション、収支の部分までコンサルテーションなさっているとのこと。家計調査のデータなども使って、市場についての認識を伝えたり、店の精肉売り場の戦略提案までなさっているそうです。
■ どんな職種も人材不足
・伝承の欠如があるからこそコンサルは成り立っている
・コンサルタントの提唱する路線に右へならえになってしまうから、きっと店の独自性が出ない
(でも、きっとそれが効率的なやり方であるし、コンサルタントは答えを出してあげないといけないから、そうならざるを得ない)
・人が続かないという問題はどんな職種でも言えることだが、はたして続けたくなるようなシステムになっているのだろうか? そこのところはお聞きするのを忘れました。
お話の中で話題にしたのですが、バブルの頃に開発された大型プロジェクトの建築物では、出店のための保証金や家賃が非常に高く、大手チェーン店でないと出店できない状態になり、結局どこへ行っても金太郎飴のような店舗構成になってしまいました。
飲食店にしても、職人の技を見せるような店より、アルバイトやパートを使って人件費を安く抑え、厨房はセントラルキッチン等から運び込まれるものをマニュアルに従って簡単に調理して出すような方法が賢いという傾向が強くなりました。
「クオリティとコストを、どこでバランスさせていくか」という、ビジネス上避けては通れない課題にかかわる部分です。
飲食店やスーパーであれば人件費を抑えるために、
①できるだけ人手をかけなくて済むようにする
②人手は安くて融通のきくアルバイトやパートでこなせるようにする
おかげで、安くてそこそこのものは手に入るけれど、失われたものも多いというのが現実なんですね。
失われたのは、
●技術の伝承
●ほんとうに良いものの減少
●技術を磨ける職場
こう考えると「人材不足」という言い方は間違っているような気がします。「人材をひきつける環境やシステムの不足」と言った方が当たっているのではないでしょうか?
食肉コンサルさんの話からとんでもない方向に行ってしまいました。ごめんなさい。
ちなみに我が家には親戚からもらった、はるみ、こなつなどがあります。
柑橘類の話はさておき、今回は食肉コンサルタントをしておられるT氏に少しお話をお聞きしたので、忘れないうちに記録しておくためにも、そのお話を書きたいと思います。
■ 肉の売られ方に関しても私は不満があります
「さあ、今日はがんばって料理しよう!」と思ってスーパーへ買い出しに行くと、料理する気持ちが失せることが最近は増えてきました。店も効率を重視せざるを得ないので、どうしても売れ筋を重視することになり、あまり売れないアイテムは定番から除外されて行きます。特に生鮮食品は売れ残ると困るので、その傾向が強いのは仕方のないことかも知れません。
家でまともに料理をする人の割合はきっと減っているでしょうね。だから、惣菜売り場などは面積が増えている。魚売り場は調理せずに食べられる刺身の売場がやたらと広く、切り身や貝類などはおあいそ程度にしか売られていない(と言ったらしかられるかも知れない)。
肉売り場は、すき焼き用、しゃぶしゃぶ用、焼き肉用、ステーキ用、カレー用といったカッティングがされた商品が並んでいます。それはそれで便利な時もあるけど、もう少し大きいかたまりで料理したい時や、骨付きで調理したい時などはそういうオーダーに応じてくれる店に行かないとだめということになります。
■ 食肉コンサルタントってどんなお仕事ですか?
T氏は食肉コンサルタント。いつもあちこちを飛び回っておられます。お聞きすると主なお仕事は、
・スーパーマーケットの新入社員教育
・食肉専門誌等への出筆
・各種の食肉専門普及物(冊子的なもの)の監修
などというお話でした。
中堅どころから小さいスーパーマーケットでは、食肉のカッティングやトレイに並べてパッケージングするノウハウが社内・店内で伝承されないため、コンサルさんが指導にあたらねばならないとのことでした。スーパー業界で出世する人たちは現場でさらっと研修した後は、食肉・生鮮・エトセトラの本当の現場にタッチすることは無くなってしまうのだそうで、ホントのホントの現場を担っている人たちは入れ替わりが激しく、そこで技術や知識がつながりを持って伝承されていく状況ではないというのです。
もちろん、売れる商品づくりや、効率的なオペレーション、収支の部分までコンサルテーションなさっているとのこと。家計調査のデータなども使って、市場についての認識を伝えたり、店の精肉売り場の戦略提案までなさっているそうです。
■ どんな職種も人材不足
・伝承の欠如があるからこそコンサルは成り立っている
・コンサルタントの提唱する路線に右へならえになってしまうから、きっと店の独自性が出ない
(でも、きっとそれが効率的なやり方であるし、コンサルタントは答えを出してあげないといけないから、そうならざるを得ない)
・人が続かないという問題はどんな職種でも言えることだが、はたして続けたくなるようなシステムになっているのだろうか? そこのところはお聞きするのを忘れました。
お話の中で話題にしたのですが、バブルの頃に開発された大型プロジェクトの建築物では、出店のための保証金や家賃が非常に高く、大手チェーン店でないと出店できない状態になり、結局どこへ行っても金太郎飴のような店舗構成になってしまいました。
飲食店にしても、職人の技を見せるような店より、アルバイトやパートを使って人件費を安く抑え、厨房はセントラルキッチン等から運び込まれるものをマニュアルに従って簡単に調理して出すような方法が賢いという傾向が強くなりました。
「クオリティとコストを、どこでバランスさせていくか」という、ビジネス上避けては通れない課題にかかわる部分です。
飲食店やスーパーであれば人件費を抑えるために、
①できるだけ人手をかけなくて済むようにする
②人手は安くて融通のきくアルバイトやパートでこなせるようにする
おかげで、安くてそこそこのものは手に入るけれど、失われたものも多いというのが現実なんですね。
失われたのは、
●技術の伝承
●ほんとうに良いものの減少
●技術を磨ける職場
こう考えると「人材不足」という言い方は間違っているような気がします。「人材をひきつける環境やシステムの不足」と言った方が当たっているのではないでしょうか?
食肉コンサルさんの話からとんでもない方向に行ってしまいました。ごめんなさい。
2010-02-10 16:49
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