吉本興業問題と企業ガバナンス

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昨日珍しく、Wedgeという雑誌を買った。その28ページに住友電気工業会長の松本氏の記事があり、とても共感した。
「株主偏重のガバナンスは企業の成長を阻害する」という見出しであるが、彼が言っている主旨は、企業のガバナンスは、一様ではないのだという部分だ。
今話題の吉本興業問題にも通じる所があるので、一筆書きたくなった。コンサルタントやMBAで教えてくれる企業ガバナンスというのは、一つの型にはまっている。まあ、言い方を変えると、最も無難で合理的な方法ともいえる。

しかし、成功している企業と言うのはそれぞれに独自の文化を持っていて、ましてやビジネスの分野が違えば、企業文化は違うだろうし、ガバナンスのあり方も違ってくるはずだ。

ヨシモトというのは、芸能プロダクションの中でも特異な存在で、かなり柔軟なビジネスモデルでもって大きくなって来た企業だと思う。もちろん旧態依然とした部分も残しつつ、かなり斬新な独自のビジネススタイルを確立したと言ってもいいと思う。そして今回の騒動のような「危機?」を何回となく時代時代で経験し、そして解決してきた企業ともいえる。6000人ともいうタレントの数は、養成学校を自ら持ち、そこを卒業した人たちが膨大な数になった結果だろう。そもそも養成学校を作ったのも、師匠と弟子という関係の中で継承され新人が生まれるというスタイルが時代にそぐわなくなったことへの解決策だった。

注目が集まっている岡本社長・大崎会長はともにマネージャー出身だ。なんでタレントのマネージャーだった人が企業のトップに来るの?と疑問を感じる場合もあるだろう。だって経営のプロじゃないし・・・。けれど私が思うには、ダレントと二人三脚でみんなが喜ぶエンターテインメントを作り出してきたからこそ、今のヨシモトがあるのであって、クールな経営学ではカバーしきれないヨシモトにとって大事な文化がそこにはあるのだと思う。

その文化を理解していないと、また、一般的な経営手法だと、このユニークな企業は経営できないのだと思う。

宮迫さんたちが早く記者会見をしたいと申し出た時の経営側の対応は、確かにマズイ部分もあったけれど、もし世にいう一般的な企業ならば、やはり詳細な部分を把握したうえで会見を開きたいと思うだろうし、何とも言えないなあと感じる。

願わくば、所属タレントに不信感を抱かせることのないマネージメント会社として、あるべき姿を確立して欲しいと思う。
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